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キュクロープス (ルドン) : ミニ英和和英辞書
キュクロープス (ルドン)[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

キュクロープス (ルドン) : ウィキペディア日本語版
キュクロープス (ルドン)[ちょうおん]

キュクロープス』()は、「最も有名なキュクロープス(一つ目の巨人ポリュペーモスに愛された、不運なナーイアス(水辺の妖精)ガラテイア」を主人公とする神話を描いた、オディロン・ルドンの絵である。

==概要==
神話における大部分のキュクロープスと同様に、ポリュペーモスは、獲物を狩って食べ尽くす野生の生き物、悪役として登場する。
この題材は以前から、画家ギュスターヴ・モローなどによって描かれていたが、ルドンはこの神話を取り上げ、新たなポリュペーモス像を生み出した。
ルドン版におけるポリュペーモスは、恐ろしくない、受動的な生き物として描かれている。
普通なら災厄であるはずの獣が、それまでのルドンの諸作品に見られるような、大きなひとつの眼で、やさしく見つめている姿で描かれる。ナーイアスであるガラテイアは、裸の無防備な姿で植物の上に横たわっている。
ポリュペーモスはこの「性的に成熟した処女」("sexualized maiden")を優しいひとつ眼でじっと見つめているように見える。
ポリュペーモスは、恥ずかしくてガラテイアの「あられもない」("helpless")姿とじかに向かい合うことができず、岩山のかげに身を隠している〔Druick, Odilon Redon: Prince of Dreams, 345-346.〕。
ルドンは、主題の選択や美術的試みにおいて典型的な枠組にはまっていなかった。ポリュペーモスの一般的な表現からの逸脱は、彼の夢のようなスタイルと美術的規範からの逸脱に影響されたものであった。
===ルドンの前半生===
ルドンは1840年4月20日、ボルドーに生まれ、努力して美術界入りした。彼は美術学校の入学試験に一度で合格することができず、その挫折ののちにさえ、彼の美術作品は最初、象徴主義の人々にのみ知られ評価されただけだった。
ルドンは、モネルノワールのような美術家と同年輩であったが、印象主義と呼ばれた彼らのスタイルは追及しなかった。
ルドンの美術は、生前は広くは認められなかった。彼は、多くの有名な同時代人に比べると、よそ者扱いされていた。サロンは彼の作品を認めなかったし、彼は1881年のラ・ヴィ・モデルヌ(La vie moderne)と1882年のル・ゴロワ(Le Gaulois)を除けば、彼の作品が展示されることは滅多になかった。
想像力の深みから描くことをルドンは説明している。
:「父はよくわたしに言ったものである:『あの雲を見なさい、父さんとおなじように見えるかい、あの変わりつつある形が?』と。それから父は変わりつつある空に、見たこともないような生き物や、素晴らしく驚くような情景を示してくれたものである。」
ルドンが創造したものの多くは、彼の心の目から生じたものだった。しばしば彼は、心の眼からイメージを呼び出して時間を過ごしたものであった。
彼独自の言葉で彼はそのスタイルを説明している。
:「わたしの独創性は、ありそうもない生き物を、人間的なやりかたで生き返らせ、現実世界の論理を - できるかぎり - 幻想世界にあてはめることによって、自然法則と蓋然性にしたがって彼らを生きさせることにある。」〔Kleiner and Mamiya, Art Through the Ages, 889.〕
この神話上の主題は、ヒエロニムス・ボスおよび作家エドガー・アラン・ポーと似て、当時においては清新なものであり、アンドリエス・ボンガー(Andries Bonger)の眼を引いた。ボンガーは、ルドンの作品の最初の収集者になり、やがて二人は親友になった。ルドンが美術界で高い評価を得ることになるのは、この関係を通じてであろう〔Leeman, Masterpieces from the Andries Bonger Collection, 57 and 73-74.〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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